ケトジェニックダイエットとは、食事を摂るだけで脂肪が燃焼されるダイエットのことを言う。
しかも最長でも2週間という恐ろしく早い期間で結果がでる。
人間は本来、食事から得られる三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)を様々な活動にエネルギーとして活用している。
その中でも炭水化物から得られるブドウ糖は脳を動かすのに必要な唯一のエネルギーとして重宝されており、実際世界中で穀物(白米、小麦粉、とうもろこし)を原料とした食品を主食として食べている。
しかし実際の所、中性脂肪を分解して得られる「ケトン体」も脳を動かすことができる。
つまり、ケトン体がブドウ糖の代わりになるということ。
そしてこのケトン体は、ブドウ糖(糖質)が身体から完全に枯渇し、高脂質・高タンパク質な食事を心がけることで作り出すことができる。
ケトン体をエネルギーとした状態をケトン体代謝と言い、ケトン体代謝に切り替わった身体の状態のことをケトーシスと言う。
ケトジェニックダイエットとは、空腹を耐えることなく痩せることができる究極のダイエット法である。
ただ胡散臭いのも事実で、危険性や副作用的なことがないのかなども気になるところだ。
(結論だけ言うと安全。もちろん理由は記事内で話す。)
私自身初めてケトジェニックダイエットに出会った時、その情報の少なさから正確な情報を吟味することに苦戦した。
ケトジェニックダイエットを実践するに当たり20冊以上の本を読み漁り、正しい理論を身に着けた。
そしてケトジェニックダイエットに挑戦し成功した私が、ケトジェニックダイエットの初心者に向けて正しく歩みだせるよう解説している。
この記事では得体のしれないケトジェニックダイエットについて、どこよりも分かりやすく、そしてどこよりも正確な情報をお届けしている。
この記事では下記の様な悩みにお答えすべく、詳細を書き記させて頂いる。
ケトジェニックダイエットって何だろう?
ケトン体代謝がまだよくわからない。
ケトーシスという言葉についても知りたい。
このサイトを見ればケトジェニックダイエットの仕組みについて完全に理解でき安全であることも証明されているという内容に仕上げている。
知識として蓄えて頂いたり、実際にやってみるきっかけとなれば幸い。
【参考書籍】
糖質制限+肉食でケトン体回路を回し健康的に痩せる! ケトジェニックダイエット(斎藤 糧三)
⇒【カロリー計算の仕方】
⇒【ダイエットのやり方】
ケトジェニックダイエットとは?
ケトジェニックダイエットとはケトン体代謝によって中性脂肪を燃焼させるダイエット方法のことだと冒頭でお伝えした。
糖質過多の食事をしていると、ブドウ糖の摂取量は自然と多くなる。
ブドウ糖の摂取量が多くなると、エネルギーとして利用するだけでは使い切れず余分にあまった分が肝臓内で「グリコーゲン」として貯蔵される。
貯蔵されたグリコーゲンは24時間程度であれば、エネルギー枯渇時に利用することが可能。
この時グリコーゲンにもならずに残ったブドウ糖は中性脂肪となり蓄積される。
つまりはブドウ糖をエネルギーにしていると太るということだ。
しかしブドウ糖をエネルギーとせず、ケトン体を利用することができれば自然に痩せるということになる。
ブドウ糖代謝とは?
ブドウ糖代謝とは、糖質から得られるブドウ糖をエネルギーとしているエネルギー代謝のことを言う。
これまで「朝ごはんを食べた方が頭の働きが良くなる。」「疲れた時はチョコレート。」といったことを聞いたことはないでだろうか?
これは実は白米やパンに含まれているブドウ糖、チョコレートに含まれているブドウ糖が脳の働きに欠かせない栄養素だからというのが根拠となっている。
中学時代の生物の授業などで、「炭水化物に含まれているデンプンを分解しブドウ糖にして吸収している。」と習ったのは覚えているだろうか?
このデンプンは炭水化物に含まれており、全世界で主食とされている穀物(米、小麦、とうもろこしなど)に豊富に含まれている。
炭水化物から得らるブドウ糖こそが、人間が身体を動かすエネルギー源として主流となっている。
ブドウ糖と置き換わるケトン体とは一体何なのか?
ケトン体代謝とは?
ケトン体は糖質を摂取することを止め、体内の糖質を枯渇させることで中性脂肪から得ることができる。
この時、もちろん糖質を摂取しない代わりに高脂質が条件になる。
中性脂肪から得られるケトン体は、ブドウ糖の代わりになって脳などのエネルギーとして利用することが可能だ。
こうしてケトン体をエネルギーとして利用されることをケトン体代謝と言う。
説明からもわかる通り、ブドウ糖代謝では行き場を失った糖質は中性脂肪となる他ありません。
しかし糖質を枯渇させることで、中性脂肪は作られず、むしろ分解されてエネルギーとなる。
これにより、人間が生きるための代謝だけで、中性脂肪を分解することができるこのケトン体代謝がケトジェニックダイエットと呼ばれている。
また、ケトン体代謝に切り替わった身体の状態をケトーシスと呼ぶ。
それでは実際に切り替える方法を解説する。
ケトン体代謝に切り替えるには?
・1週間糖質摂取0gを目指す
・それ以降はカロリー比でP:F:C=3:6:1を目指す
(P=タンパク質、F=脂質、C=炭水化物)
・糖質は1食20g以下、3食で60g以下
ダイエット方法については別の記事で解説する。
ここでは切り替えるための方法(仕組み)を簡潔に解説。
ケトン体代謝に切り替えるには体内から糖質を枯渇させ、脂質とタンパク質をたくさん摂取する必要がある。
初めてケトン体代謝に切り替える試みをするのであれば、辛いと思うが最初の1週間は糖質摂取0を目指す。(厳密には糖質30g程度が目安)
既に糖質制限に取り組んでいる場合は、いきなりカロリー比でP:F:C=3:6:1の食事を目指して問題ありません。
まぁただ、早くケトーシスに移行したいのであればケトジェニックダイエットを開始して最初の1週間は糖質30g以内に収めることが得策だ。
結局カロリー制限があるんだと思うかもしれないが、脂質がたくさん含まれる食品は食べ応えがあるのですぐお腹いっぱいにそんなには食べられない。
因みにカロリー計算例は以下の様になる。
毎食の糖質の摂取量が40gである場合、160kcal糖質を摂取していることになります。
P:F:C=3:6:1なので、タンパク質は480kcalで120g、脂質は960kcalで107gになります。
※糖質1g=4kcal、タンパク質1g=4kcal、脂質1g=9kcal
因みに脂質107gを摂るためには牛肩ロース肉のステーキ130gを4枚弱食べられる計算になる。
もちろん、サバや鮭、アボカドなど様々な食品から栄養摂取できるのでステーキを4枚食べなければいけないわけではない(笑)
ケトジェニックダイエットの安全性
ケトジェニックダイエットは良くないとされている点が2点ある。
・脳の栄養になるのは糖質だけで糖質制限をすると脳機能が低下する
・ケトン体の増加で体内のphがコントロールできなくなる「ケトアシドーシス」を引き起こす
この2点が問題ないことを話していく。
脳機能は低下しない
まず脳の栄養になるのは糖質だけという点ですが、結論だけお伝えすると糖質だけでなくケトン体と乳酸も脳の栄養となることができる。
脳の栄養になるのは糖質だけとされているのは、前述しましたが血液脳関門というものがありここは糖質しか通さないと思われていたからだ。
しかし実際の所、ケトン体だけでなく乳酸も脳関門を通ることができエネルギーとなります。ソースは以下の通り。
(The contribution of blood lactate to brain energy metabolism in humans measured by dynamic 13C nuclear magnetic resonance spectroscopy.URL:
https://www.jneurosci.org/)
また私たちにもなじみが深いのが胎児の頃や、お母さんのお腹にいる間はケトン体代謝をしていることが研究でも分かっている。
産婦人科医である宗田先生の研究によると、生まれて間もない胎児の血液やへその緒からケトン体が多量分泌されている。ソースは以下。
また、人類の歴史を遡ると原始時代人類はケトン体代謝を行っていたことが分かっている。
約500万年前に誕生したと言われている。
狩猟文化が開始されたのが約250万年前ですが、稲作などの農業を始めたのが約1万年前。
つまり人類の歴史を遡ると遺伝子的にケトン体代謝をしていた期間の方が長く刻まていることがわかる。ソースは以下です。
難しい話をしていますが、ケトン体は脳のエネルギーになることは間違いない。
ケトン体は身体に悪くない
次にケトン体の増加で体内のphがコントロールできなくなる「ケトアシドーシス」を引き起こすという点だが、ケトン体代謝ではケトアシドーシスを引き起こす程のケトン体は発生しないので問題ない。
通常のケトン体の血中濃度は0.1mmol/Lですが、糖尿病性ケトアシドーシスの時の血中濃度は3.8mmol/Lを超えている。
ただし、海外の研究によるとケトーシスの状態が常に続いた場合6~8mmol/Lの血中濃度になります。
これは3.8mmol/Lを超えていますが大丈夫なのだろうか?
インスリンが正常に働いている健常人であれば問題ない。ソースは以下。
つまりケトジェニックダイエットにおいて、ケトン体の過剰分泌を心配する必要がないと決定づけられている。
ケトジェニックダイエットのメリット
ケトジェニックダイエットのメリット
①お腹いっぱい食べられる
②効果が出始るまでに2日~2週間
③運動はしなくても良い
ケトジェニックダイエットは本当に空腹の辛さは皆無。
今まで本当に空腹に負けてバカ食いしていたのがアホみたいに、全くそのような誘惑に駆られることはありません。
継続に対してなんら苦痛はない。
私はケトジェニックダイエットに取り組み始めてから、食事の辛さで続けられなかったことは一度もない。
また効果が出始めるまでが早く、まず糖質は体内にかなり水を貯めこむ性質があるので糖質を枯渇させるとまず水が抜け体重が激落ちする。
もちろん体脂肪がおちたわけではないが、体重が減っているのがわかり嬉しいのは間違いない。
さらに痩せる条件に運動を必要としていないため、運動を頑張る必要はありません。
ケトジェニックダイエットは食べることができ、運動しなくても良いのにすぐ痩せる究極のダイエット方法だ。
ケトジェニックダイエットのデメリット
ケトジェニックダイエットのデメリット
①体臭がアセトン臭くなる(甘い匂い)
②ケトーシスに入るまで、頭がぼーっとする
③継続すると食費がかかる
デメリットが実質副作用的な内容になる。
ケトン体の中にアセトンという物質があり、これはエネルギーとして利用されないため体外に放出されます。
このアセトンが口臭や体臭がきつくなる原因となっており、その匂いはリンゴや柿が腐った匂いと表現されている。
ただ、私は過去恋人以外に指摘されたことはない。
しかもかなり密着した状態にならないとわからなかったよう。
そうしなければ分からない程で、実際他の人に関しても後から事情を説明して臭かったか聞いてみても臭かったと言われたことはなかった。
ただ、歯磨きやマウスウォッシュ、香水などは常備し使用していたので
最低限エチケットとしてそれくらいは気を付けるようにしよう。
ケトーシスに入るまでは2日から2週間とは言え長くケトン体代謝に入らず糖質が枯渇した状態が続くと頭がぼーっとしたり、眠気が強くなったりする。
これは、最初の章で説明したブドウ糖代謝の状態を抜けることができておらず、ただ糖質が枯渇して脳が動かなくなっている状態だ。
2週間続けてうまくいかない場合何か悪い原因が考えられるので中断した方がいい。
また、ケトジェニックダイエットをしていると食費がかなりかかる。
ダイエットをしていると基本的には食費にお金にかかるが、それでもケトジェニックダイエットはかなり食費がかかる。
ケトジェニックダイエットを行うと、糖尿病の恐れもなくなり、肌も良くなり、アレルギーも解消されるというお金で買えるなら買いたい様な恩恵を受けることもできます。
多少の食費は覚悟の上で是非挑戦してみよう。
ケトジェニックダイエットとは?まとめ
ケトジェニックダイエットの仕組み
ブドウ糖を利用する代謝からケトン体を利用する代謝へ切り替え。
中性脂肪を分解して得られるケトン体をがエネルギーとなるため自然に脂肪燃焼されるのが特徴。
ケトン体代謝への切り替え方
①糖質を枯渇させる
②高脂質、高タンパク質の食事を摂る
③糖質は1食20g、3食60gに抑える
⇒【ケトジェニックダイエットのやり方】
⇒【ケトン体の濃度を尿で測定をする方法】